「え、えっ」
光くんは狼狽します。
「顔も声も女の子そのものだけど、本当の女の子とは腰の位置が違うんだよね。公園で見かけたときはうまくそのあたりを隠していたけど、こうやって座ってみるとよく分かるよ」
「……すみません」
光くんは素直に謝ります。
「騙すつもりはなかったんです。女の子としてみられたことがつい嬉しくて」
「全然かまわないよ。僕、むしろそういうのが好きだし」
「えっ」
「僕の部屋でもう少し話さない?」
「それは……」
光くんは躊躇います。
「それくらいはしてもらっても罰は当たらないと思うけど?」
西川はニヤリと笑います。
女の子扱いされて調子に乗ったことが悔やまれます。ただ、西川に対する罪悪感、そして不思議なまでの好奇心に駆られて光くんは「分かりました」と頷きます。
女装子光くん(7)


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