女装子光くん(8)

「それで、光くんは心は女の子なの?」
「それは……」
光くんは考え込みます。
「違うと……思います。たぶん。女の子も好きですし」
「曖昧だね。違うのならどうして女装をしているの?」
「一種の変身願望というか、自分と違うものになりたいのかなと思ってます」
「それは女の子になりたいっていうことなんじゃないのかな。格好だけでなく中身も」
西川は楽しそうに笑います。
「さっき、女の子もって言ったね。それは男も好きって言う意味?」
「いえ、そんな意味じゃ……」
「男の人との経験はあるの?」
「ありません」
「ちょっと試してみるつもりはない? 光くんが心も女の子になりたいって思っているのかどうか」
西川は光くんの太腿に手を伸ばします。
「えっ」
光くんの身体がぶるっと震えます。
「嫌ならすぐやめるよ」

コメント

タイトルとURLをコピーしました