女装子光くん(4)

「初めて見る顔だけど、この近くに住んでいるの?」
いきなり声をかけられた光くんは驚き、身を固くします。
「ごめんごめん。急に声をかけられたら警戒するよね。僕は西川といってA高校の美術教師をしているんだ。絵になりそうな場所を探して毎朝散歩をしているんだけど、風景よりも絵心をそそられるものを見つけたんで、思わず声をかけちゃったんだ」
そう言われてみれば、この公園でスケッチをしているところを見かけた覚えがあります。不審人物ではなさそうなこと、また容姿を褒められたこともあって、光くんは少し緊張を緩めます。

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