新 白川夜話

11.杉村春也の魅力 (1999.5.29掲載)

「独立」さんから杉村春也の魅力についてメールをいただきました。 全く同感ですのでまたご紹介します。

(前略)
 私も確かにSM小説の世界で団先生に次ぐ作家は杉村先生だとお もっています。世間一般的にみれば千草忠夫か、綺羅光といったところでしょうが、私にとっては断然、杉村先生です。
 HPでも書かれていた通り、その魅力は開かれた空間での露出調教 にあると思います。青空の下や映画館で羞恥に身悶えるヒロインの姿は「すごい」の一言です。

 そして私か゛ もっとも好きなのは、「性奴隷誓約書の読み上げ」です。他の作家の作品を読んでいても「奴隷のちかい」は、大安売りのごとく登場するのですが、ヒロインが 陵辱者達の作った誓約書を、それも性的興奮のない状態(いわゆるシラフ)で屈辱に震えながら読み上げるシーンは杉村先生だけだったと記憶しています。ま た、ヒロインは口上の瞬間までその内容をしらない事や、誓約書や契約書の内容か゛本文中にしっかり明記されているところもそそります。
 なかでも「恥虐の牝檻」で、百合恵夫人が、悪魔のキングダム住人 にまり子夫人から手を引くことを誓わせた誓約書を破り捨てられ、その悪魔達の性奴隷になることのちかいを読み上げるこのシーンは私にとってのベストシーン です。 以上が私「独立」が杉村先生を推す理由です。 HP上で他の方の理由や意見を見てみたいですね。

 質問ばかりで恐縮ですが白川さまは、絵のストックはたくさ んある様に書かれていましたが、どのくらいお持ちなのでしょうか、さしつかえなければぜひ教えていただきたいのですが。小説の作品別に整理されたりしてい るのであればぜひおしえてください。 では失礼します。

 ・・・・・ それからもう一言、私はSM小説の事を他の方と語り合う機会があるとは考えもしませんでした。インターネットと白川さまにほんとうに感謝します。
(後略)


 私は杉村春也氏はもっと評価されて良い作家だと思います。 今一つ知名度がないのは、寡作であるせいでしょうが、「知る人ぞ知る」といった作家だと思います。

 気丈な百合恵夫 人が徐々に奴隷化されていく過程を描写した、「恥虐の牝檻」の後半は、団鬼六氏が一線をひいて以降に登場したあらゆるSM小説の中で白眉といって良いと思 います。「英語教師・景子」にしても、「恥虐の牝檻」にしても、その後たくさんのエピゴーネンを生んだのも、氏の偉大なところでしょう。

 ところで、独立 さんのご質問ですが、絵のストックはCGで現在50〜60枚くらいでしょうか。小説の作品別に整理しています。主なテーマは、HPに掲載中の「新妻地 獄」、「恥虐の牝檻」、「英語教師・景子」のほか、「肉体の賭け」、「花と蛇」、「鬼ゆり峠」などでしょうか。
 あと、HPの特別企画として連載しているオリジナルの「蕃地の女 奴隷」のストックが少しあります。

 ただ、かなり前に描いた作品については、出来に不満があり ますので、HPには掲載しないかもしれません。また、自分で描いているものは、表現の制約を気にしないで良いのですが、こちらに掲載する時には、しかるべ く修正しなければいけないのが残念です。

 SM小説やイラストは想像力を刺激する、楽しい趣味だと思 います。なかなか他の人と語り合う機会がないというのがつらいところですが。このサイトをそういった我々の交流の場にしていければと思っていますので、皆 さまには引続き宜しくご贔屓の程、お願いいたします。

白川 拝
(2003.10.19 追記)

この頃と比べると杉村さんもずいぶん有名になりましたね。鬼六さんにしても杉村さんにしても、当時のネットの世界では影も形もないという状態でした。いま やそれぞれのファンサイトがあるほどですからね。

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