新 白川夜話

2.『地獄の美囚』第1部を終えて

 今週で『地獄の美囚』第1部が完結しました。

 400字詰め原稿用紙換算で430枚強の分量は、優に単行本一冊分はあります。しかしながら物語は未だ序盤で、4人の美女たちは彼女 たちにとっての本当の地獄であるA国第3刑務所にたどりついてもいません。おそらくは全体は4部構成となり、第2部以降に本格的な責め場が登場することと 思います。

 さて、この『地獄の美囚』は今後肉体的な責め、女性の性感を直接開発するような描写も登場しますが、どちらかというと精神的な責めに 重きを置いていま す。

 たとえば、第1部の終盤で山野辺涼子が殺人の冤罪を負わされるであろうという運命が暗示されましたが、第2部ではその通り、つまり殺 人罪が 確定し収監されることとなります。

 裁判は検察側の一方的なペースで進み、即日判決が言い渡されます。久我祥子が優秀な弁護士でありながらまったく逆襲できない原因の一 つに言語の問題がありま す。祥子は頭脳明晰ですが、ただ一つ語学の才能にはあまり恵まれていません。英語はなんとかビジネスベースでこなせますが、スペイン語はさっぱりです。こ のため本来自分が得意とするフィールドで何もできないまま殺人罪が確定していくという、一種の精神的な拷問が祥子に課せられることになります。祥子を裸に して淫具で責め立てる等という描写よりも、こういった精神的な責めの描写に筆者は惹かれます。

『地獄の美囚』はしばらくの間お休みをいただき、ある程度書き溜めてから再開ということにしたいと思います。といってもそれほど長くは お待たせしません。それまでは他のコンテンツでお楽しみください。

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