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第24話
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「どういうことだ」
「死んだ主人がそういうところがあったのよ」
「何だって?」
私は耳を疑いました。
「主人は私とセックスする時、時々私の昔の男関係を執拗に聞くことがあったわ。最初は煩わしかったし、そんな昔のことをほじくり返されるのが不愉快で相手
にしなかったのだけど、私が根負けして誰にどんなふうに抱かれたとか話すとすごく興奮して、あそこも信じられないくらい堅くなって……ごめんなさい……そ
のうちに私も進んで話すようになったの」
「そのうちに話のネタも尽きてしまって、本当にあったことよりも誇張して話したり、時には全くの作り話をしたりすることもあったわ。主人がどうしてそんな
ことを聞きたがるのか理解出来なかったけれど、私は主人を悦ばせたくて付き合っていたの」
「でも、今東山さんを見ていたらようやくわかったわ。主人以外にもそういう趣味の人がいるんだって」
「俺は玲子さんのご主人とは違う。そもそもそんなプライベートな話は聞きたくない」
「ごめんなさい……でも奥様に妬けてしまったの。いつかは、私が遠藤に抱かれた話をして、東山さんを興奮させてみせるわ」
「とにかく、妻が俺を裏切ったという確証はない。食事の最中にそんな話はやめてくれ」
「まだそんなことを言っているの。呆れたわ」
玲子さんはクスリと鼻で笑うとグラスのビールをぐいと飲み干しました。
「そうそう、面白いものを持って来たのよ。東山さんが絶対に観たがるもの」
玲子さんはカバンを取ってくると紙包みを取り出し、テーブルの上に置きます。
「……例のビデオの続きよ。奥様があれからどんなに乱れたか、観たいとは思わない?」
「……」
「寝室にもビデオがあったわよね? お食事が終わったら2人で観ましょうか?」
「……」
「それともこのまま持って帰りましょうか? 東山さんが奥様を信じているのなら、観ても観なくても同じでしょうし」
「……」
「どうなの? 観るの? 観ないの」
「……観る」
私は憮然として小声で言いました。
「聞こえないわ。もっと大きな声で言って頂戴」
「観る、これでいいだろう」
私はさすがに腹立たしくなり、声を荒げます。
「観たいなら観たいと最初から言えばいいのに……」
玲子さんはクスクス笑うとカバンの中にビデオをしまいます。
私はその後、何を食べているのか全く味が分かりませんでした。食事が終わるや立ち上がろうとする私を玲子さんは引き留めます。
「先にお風呂に入りましょう、いいわね?」
「もったいをつけるのはいい加減にしろ」
「でも、ビデオを観たら必ずしたくなるわよ。わかるでしょ?」
「勝手にしろ」
私は浴室に行き、さっさと服を脱ぎます。玲子さんが下着とタオルを持って追いかけて来ます。
「もう、子供みたいに拗ねちゃって。可愛いわ」
玲子さんはそういいながら素っ裸になると、私の後から浴室に入って来ます。
「洗ってあげるわ」
「自分で出来る。放っておいてくれ」
「後で私の口の中に入るものよ。奇麗にしておかないと嫌だわ」
玲子さんは無理やり私を座らせ、ボディソープを手に取ると私の股間を丹念に洗い出します。
「こんなに大きくしちゃって……頼もしいわ」
私のペニスは玲子さんの手の中で無様に膨張しています。私は自棄的になって、玲子さんのなすがままに任せていました。
「でも、まだ出させてあげないわ。後でビデオの中の奥様と一緒にイカせてあげる」
玲子さんはそう言うと硬化した私のペニスを持ち上げ、睾丸から肛門に至るまで丁寧に洗います。
「奥様のイキっぷりは凄いわよ。東山さん、観たらきっと驚くわ。身体をブルブル震わせながら、ああ、紀美子、イキますっ、なんて可愛い声を出しちゃって」
私は耐えられなくなって立ち上がりました。
「あら、もう出るの? 東山さんはお風呂好きなのに、もったいないわねえ」
玲子さんはクスクス笑いながら私を見上げます。
「先に寝室に行って待っていてね。一人で始めちゃダメよ」
私は乱暴に浴室のドアを閉め、外へ出ました。玲子さんの笑い声が中から響いてきます。私は完全に玲子さんのペースに乗せられてしまっているのを自覚しま
した。
パジャマを着て寝室に入った時、聞きなれた着信音がしました。机の上に置きっぱなしにしてあった私の携帯電話が微かな光をを放っています。ディスプレイ
を見ると「紀美子」という表示があります。私は携帯電話を手にとり、通話ボタンを押しました。
「もしもし」
(あなた、紀美子です)
妻の声はどことなく深刻な響きを帯びていました。
「ああ……どうした?」
(どうした……って、あなたがどうしているかと思って……)
「ずっと電話をかけてこなかったじゃないか」
(さっき自宅の電話にかけました。あなたの携帯にも何度かかけたのだけれど、出なくって)
そういえば電話を手に取るとき、いくつか不在着信が入っているようでした。
(それより……電話に△△(上の子)が出たんだけれど、玲子さんが家に来ていたの? それも昨日も今日もだって)
「ああ……」
(どうして彼女が来ているの? 彼女が私に何をしたのか知っているでしょ?)
「別に来てくれと頼んだわけじゃない。勝手に来て子供たちの夕食を用意してくれたんだ。子供たちには事情を知らせていないのだから、断るわけにはいかな
い」
(昨日だけならともかく、その時点で断ってくれれば今日また来るなんてことはないはずじゃない。あなた、玲子さんに何か言われたの?)
「何も言われていない。それより、紀美子は今どこにいるんだ?」
(どこって……実家にいるに決まっているじゃない)
「お義父さんとお義母さんは?」
(下の居間にいるわ。どうして?)
「なぜ実家の電話からかけない」
(父と母には私が帰省した本当の理由を知らせていないわ。今は父と母の前であなたに電話することは出来ない)
「お義父さんかお義母さんと話をしたいんだが」
(……もう遅いから明日にしてくれない?)
「どうしてだ? 話をすると何かまずいことがあるのか」
(そんなことはないわ。あなたこそどうしてそんな風な言い方をするの)
妻が苛立ったような声を上げたとき寝室の扉が開き、玲子さんが入ってきました。
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