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第22話
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今のような精神状態でなければ、妻と玲子さんの思わぬ水着ショーを楽しむと
ころですが、私はそれどころではありません。妻と玲子さんが楽しげに様々なビキニを試しているのは、海で遠藤や竹井に水着姿を見せることを楽しみにして、
どんな水着を着れば年下の男たちが喜ぶかを相談しているように思うのです。
ようやく妻が実際に海で着たオレンジの水着を身につけている写真が現れます。Tバックのものほどではないですが、ボトムのサイドがほぼ紐状態になったそ
れは十分扇情的で、色合いも妻の白い肌を引き立てています。
玲子さんも同様にグリーンの水着姿になりました。これも玲子さんの小麦色の肌にマッチしており、今まで着たどの水着よりも確かに彼女に似合っています。
次の写真を見た時、私は心臓が跳ね上がるような驚きを感じました。
玲子さんと妻がビキニ姿で並んでポーズを撮っている写真が現れたのです。2人の写真は何枚も続き、挑発的な視線をカメラに送ったり、2人で胸やお尻を突
き出したり、軽く抱き合って楽しげに笑ったりしています。
(写真を撮っているのは誰だ?)
私は妻と玲子さんが2人でお互いの水着姿を撮りあっているのだとばかり思っていました。様々な水着を次から次へと試すためには、そのたびに裸にならなく
てはなりません。当然2人しかいない部屋での行為だと考えていたのです。
しかし、2人が同時に写っているということは、部屋の中に第3者がいるということを示しています。もちろん三脚を使ってカメラを固定して、セルフで撮っ
たということも考えられますが、2人の写真のアングルや距離は次々に変化しており、誰かが手で撮影していると考えるのが自然なのです。
(もしかして遠藤……それに竹井も?)
私の妻に対する疑いはさらに深くなります。
この後CDーRには、写真は妻と玲子さんのミニスカート姿が続きます。もちろん2人が遠藤と竹井とA駅の近くで会い、私に目撃された時に着ていたもので
す。それはビキニのものと同様に、妻と玲子さん一人ずつの写真が何枚か続いた後、2人が並んでポーズをとっている写真がありました。楽しげに笑い合う妻と
玲子さんの姿を見ながら、私の気持ちは果てしなく落ち込んで行きました。
一枚目のCDーRはそこで終わりました。妻と竹井のセックスシーンは一切収録されていませんでしたが、私はそれを目にするよりもはるかに大きな衝撃を受
けていました。妻の私に対する裏切りの証拠を次々に積み上げられたようなものだったからです。
私は2枚目のCDーRをドライブに装填しました。しばらくの間メディアにアクセスする機械音が低く響き、やがてスライドショーが開始されました。
最初に現れたのはトレーニングウェアを身につけた妻の姿です。場所は例の中学校の体育館のバレーボールコートです。妻は練習中なのか練習後なのか、顔は
上気しており、髪も少し乱れています。
練習中の妻の姿が何枚も続きます。妻のポジションはセッターで、玲子さんにトスを上げる場面が大部分ですが、時に妻自身もトスを受けてスパイクを打ちま
す。思い切りジャンプした時にウェアがまくれ上がり、お臍が丸出しになった妻の姿は夫の私が見ても扇情的でした。
次にレシーブの練習をする妻が写ります。何回も何回もボールを受け、時にコートの床に転がりながら必死でレシーブをする妻。激しい練習でウェアが汗で
ベットリと肌に張り付いた妻。大きなお尻を突き出し、ボールに向かって飛び込む妻、誤ってボールを顔に受け、痛みに表情を歪ませる妻。そんな妻を見ている
うちに私は次第に奇妙な興奮を感じ初めていました。
竹井が画面に現れ、妻に指導をつけています。竹井の手が妻の身体のあちこちに触れていますが、妻は神妙な顔付きをして竹井の言うことを聞いているようで
す。竹井は元々セッターをしていたということもあって、まるで妻専属のコーチのように延々とマンツーマンの指導を続けます。画面には他のバレーボール部員
(要するに妻と同様、この近所の奥様です)が妻と竹井に複雑な視線を送っていることもわかります。
次の場面は私が目撃した、玲子さんと遠藤、妻と竹井のダブルデートの様子です。妻は玲子さんに買い物に誘われてそこで遠藤と竹井に会ったと私に話してい
ましたが、写真の風景は私も何度か妻と行ったことのある海の近くの大きな公園でした。
私は妻の説明から、妻は竹井とはその時お茶を飲んだだけで、すぐに私に見られて別れることとなったとばかり思っていたのですが、その日4人はA駅から3
駅ほど離れた駅の近辺にある公園にまで出かけていたのです。
玲子さんと遠藤、妻と竹井の写真が何枚か続きます。それは花見の時以上に親しげで、妻の笑顔も自然に見えます。中には妻と竹井が恋人のように手をつない
でいる写真もありました。
新しい画像がPCのディスプレイに現れる度に、私は神経を切り刻まれるような思いでした。特に日常的な場面で妻と竹井が親しげにふるまっているものは、
2人のセックスシーン以上に私の嫉妬と悲しみをかき立てました。私はもはや妻の私に対する愛情を殆ど信じることができなくなっていました。
次に現れたのは妻と竹井のキスシーンでした。場所は例の中学校の体育館。妻と竹井はトレーニングウェア姿です。妻の話では一度だけキスをすることが出来
れば妻のことをあきらめるという竹井が申し出でて、拒絶すると竹井と妻のメールのやり取りの件を私に話すかもしれないと脅迫して、無理やりに行われたとい
うものです。
しかし、ディスプレイ上の妻と竹井はまるで恋人同士のような熱烈な接吻を交わしていました。私はその写真からはどうしても、妻が竹井に強制されたと見做
すことは出来ませんでした。
その後のCDーRに収録されていた膨大な画像は、私にとって見るに堪えないものばかりでした。竹井の屹立したものをうっとりした表情で咥えている妻、竹
井の背中にしっかりと腕を回して抱かれている妻、竹井の上に乗せ上げられて腰部を淫らに揺らしている妻――様々な妻の痴態がこれでもかとばかり収められて
いました。私はすっかり神経が麻痺してしまい、無感動にスライドショーの画面をクリックし続けるばかりでした。
いつの間にか私は5枚のCDーRをすべて見終わっていました。窓の外はすっかり暗くなっています。子供たちはもう学校から帰っているころです。母親は実
家に帰り、父親は会社を休んで部屋の中に閉じこもり、子供たちの食事のことも気にかけない。まさに崩壊寸前ともいうべき状況にある家庭を子供たちはどう思
うでしょうか。私は慌てて立ち上がり、キッチンに向かいます。親として子供たちに何か夕食を与えなければなりません。とはいっても、日頃料理をしていない
私は冷凍食品と、冷蔵庫の中の残り物を使った総菜くらいしか出来ませんが。
キッチンの手前のリビングダイニングのドアまで行くと、部屋の中から明るい笑い声が聞こえて来ました。訝しく思ってドアを開けると、中には2人の子供と
玲子さんがいました。
「あっ、お父さん」
夢中で玲子さんと話していた2人の子供が私の方を向きます。2人は食卓につき、夕食をとりながら玲子さんと話をしていました。内容は学校での出来事や最
近夢中になっているゲームといった他愛もないものですが、その光景はまるで本当の母子のように見えました。
実際玲子さんは妻に比べると社交的で、性格も男性的なところがあり、子供たちにとってはおとなしい妻よりも波長が合うようです。子供たちは妻の不在にも
かかわらず、普段よりも楽しそうにしていました。
玲子さんは私を見ると席を立ちます。いつもはパンツルックの多い玲子さんは、今日はミニスカートにサマーセーターという女っぽい格好でした。大きな胸が
セーターの布地を押し上げているのが、玲子さんの身体を知った私に生々しく感じられます。
「会社を休んだんでしょう。お身体、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……」
私は玲子さんの意図を計りかねてあいまいな返事をします。
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