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| 私が、その老人と少女たちと出会ったの
は、オーストリアのザルツブルグ音楽祭の会場である祝祭大劇場であった。 壮麗なオペラにふ さわしく着飾った紳士淑女たちがさざめく豪華なホールとヨーロッパの上流階級の雰囲気に私は、いささか気後れして、隅に小さくなっていた。私にとっては、 3回目の音楽祭だがいつになってもこの荘厳な雰囲気は東洋人の私にはなじめなかった。 私がひとりで、 オーストリアの小都市ザルツブルグを訪れるようになったのは、まだ大学生のころからであった。以来数年間、クラシック音楽好きの私は、こつこつと金を貯め ては、夏の音楽祭のシーズンにはこのモーツァルトの生誕地を訪れていたのだった。 ふと私は、ロビー の隅に私をじっと見つめる視線を感じた。周囲を見回すと向こう側の壁際にひとりの 老人がふたりの若い女性を連れて立っていた。その老人がさきほどからじっと私を見つめていたのだ。また傲慢なドイツ人が醜い東洋人がいると見下しているの かと一瞬不快になったが、その老人の目には嫌悪感や差別意識とは異なる興味の色があるようだった。私に興味をもって見つめている。私はどこかで出会った人 物かと思い巡らしたが、その老人に記憶はなかった。 しかし、それにし ても向かい側で私を見つめる3人は印象的だった。老人は70歳ちかくに見えたが 背筋がピンと伸びた長身の堂々たる体格で、相当な金持ちらしいことがその最上等のタキシードやカフスに煌く宝石に見て取れた。かなり身分の高い貴族だろう か。その威厳と近寄り難さは遠くからでも雰囲気からわかった。 しかし、その老人 のうしろに控えめに立つふたりの若い娘はもっと印象的だった。ドイツ人の女性は みな勝気で、大柄、動作も乱暴だが、老人の連れの女たちには東洋的とでもいえるほど、つつましいやさしい女らしさに溢れていた。控えめにフロアに目を落と し、老人がなにごとか話し掛けると、ふたりとも、うやうやしいほどの丁寧な態度で受け答えしている。 この奇妙な三人は 見たところ、孫と祖父ではないし、その様子は秘書と主人というより、それはまさに従順な奴隷たちと主人を見ているようだった。 娘のひとりは、 22,3歳くらいの浅黒い肌のきりっとひきしまった美しい顔立ちの女性、もう一人 は、17,8歳のまだ幼さものこるが妖精のような愛らしさをもった透き通るような白いすべらかな肌の少女、ふたりは明らかに姉妹とわかる同じ少し暗い金髪 と灰色がかった青い目をしており、白人女性としては小柄で、日本人の私より少し低いくらいの背丈だった。姉らしい娘は、黒の背中の大胆に開いたナイトドレ ス。妹らしい少女はクリーム色の短いワンピース姿で、実に優雅な姿勢で老人の後ろで目を伏せつつましくたっている。 その時、開幕を知 らせるベルが鳴り、私は3人がまだ私を目で追っているのを意識しながら席にもどった。ホールで気がついたのは3人が私のすぐ横の席だということだった。後 から入ってきた3人が席につくと、すぐに第1幕がはじまった。 ドホナーニ指揮の ウイーンフィルハーモニーの演奏はすばらしかったが、私は横の老人と美女が気に なって集中できなかった。演奏がはじまってしばらくすると例の老人の手が両側に座ったふたりの美しい娘の膝から、太もも、さらに短いスカートの奥へと動い ているのが見えたからだ。娘たちは歯を食いしばって声を押し殺していたが、顔を左右にふり、愛らしく唇をかんで耐える表情から老人の指がふたりの娘のどこ をまさぐっているのか想像された。老人の手がスカートの下で、もぞもぞといやらしく蠢くのがわかったのだ。いったい何をしているのか?あの老人は何者なの か?娘たちはなぜされるがままになっているのか?わたしは演奏より三人が気になって首を伸ばして見つめていた。するとあの老人が不意に顔を上げ私を見てに やりと笑った。ぞっとして私はあわてて眼をそらすと、演奏に聞き入るふりをするのだった。 休憩時間、私は逃 げるように席を立ちロビーに出た。 ![]() ロビーに出た私 は、カフェでコーヒーを注文して隅の席に座って気を落ち着けた。 私が内心予期してい た通り、老人と娘たちが後からロビーに出てくると、私の後を追うようにカフェに入ってきた。 「失礼ですが、日本 のお方ですな」 老人はまっすぐ私 の前にくると、親しげに語りかけてきた。 「そうですが、何 か」 治安のよいオース トリアとはいえ東洋人に親しげに話し掛ける男など信用できない。私は用心して答えた。 「ザルツブルグ音楽 祭は初めてですかな。いかがですか。ご感想は?」 老人はあくまで親 しげだったし、その後ろで、しとやかに立っているふたりの美女の気になったが、老人はふたりを私に紹介しようともせずに話し掛けてくる。私は、少し警戒を 解き、老人としばらく雑談した。 老人はオットー・ シュヴァルツと名乗り、もう数十年にわたり毎年この音楽祭に来ている常連らし く、有名な指揮者、歌手、演奏家との交友を楽しげに話してくれた。フルトヴェングラー、カラヤン、ベームなど憧れの演奏家たちのエピソードに音楽好きの私 は老人への警戒も忘れて夢中になって聞き入った。 老人が、私のこと を尋ねたので、私は、京二という下の名前と、音楽好きで毎年音楽祭に来ていること。新市街のユースホステルに泊まっていることだけを話した。 「どうですかな、 キョウジさん。せっかくの素晴らしいコンサートの後でユースホステルは味気ないでしょう。これから私の家においでになりませんか?紅茶をごちそうしましょ う。昔の音楽祭の写真もありますよ」 「そうです ね・・・」 私は、また用心し て返事をしぶった。老人はにっと笑うと初めて後ろの娘たちを振り返ると指を振って横柄な態度でふたりを呼び寄せた。美しい娘たちは弾かれたように反応し、 私たちの前に走り出るときちんと両手を脇に伸ばし整列するように立った。 「紹介しますよ。こ ちらがマリア」 老人は姉らしい年 長らしいドレスの女性をぶしつけに指差した。マリアと呼ばれた娘は驚いたことに日本人がするように私にうやうやしく頭を下げた。あわてて私もおじぎをす る。頭を下げるなどすることのない西欧においてそれは異様な感じだった。 ついで老人は少女 を指して「こちらがクリスティーナです。どちらも私の奴隷です」とさりげなく言った。クリスティーナもまたうやうやしく礼をして、ふたりは無言のまま私た ちの前につつましく目を伏せて並んで立っていた。 「な・・なんですっ て?」 私は、ドイツ語を 聞き誤ったのかと思いあわてて聞き返した。 「ははは、驚かして しまいましたかな?奴隷ですよ。いや家畜というべきですかな。牝馬ですのでね」 私は唖然として老 人と娘たちを見比べた。この老人はぼけているのか、狂人なのか?しかし、ふたり の若い女、マリアとクリスティーナは、反発もせず白いかわいい頬を羞恥に真赤に染めて、伏せていた青い目をちらっと私に向けた。なんともいえぬ恥じらいと 悲しみのこもったうるんだブルーの瞳。私はぞくりとして、自分の中に眠っているなにかがゆり起こされるのを感じた。 「いかがですか? キョウジさん。あなたのお好みならこの娘たちを自由にしていいのですよ」 パッとふたりの顔 が赤らみうらめしげにチラッと老人の顔を見上げながら、相変わらず娘たちは無言だった。 私は、なにか新手 の客引きか、日本人目当ての詐欺師かなにかかと思った。しかし、目の前に立たされているふたりの娘からは、普通のドイツ人の女性にはない従順な女らしい魅 力があふれている。私は強い好奇心に抗しきれなかった。 私は、もう一度魅 力的なふたりの娘に均整の取れたみごとな身体と恥じらいと慎みに満ちたかわいい表情や物腰を眺め、決心した。 「で・・では・・お 言葉に甘えて、おじゃますることにしましょう」 私は、老人とこの ふたりの正体が知りたくてたまらなくなったのだ。 「けっこう。コン サートが終わったら、私の車が迎えに来ますので、ご一緒に参りましょう」 老人は、さきほど と同じようににやりと笑うと立ち上がった。コンサートの後半の開始のベルが鳴ったのだ。 「ではのちほど」老 人は、ふたりの娘に目もくれず席を離れてホールに歩いていった。美女たちはまる で主人につき従う犬のように、すぐにその後を追って小走りに歩いていった。後ろから見るふたりの美女は、薄いドレスやワンピース越しにも実に形のよいヒッ プが左右に色っぽく揺れていくのが見てとれ、振り返る周囲の男たちの目を楽しませていた。 しかし私は、思い がけない展開に、しばらくロビーのイスに座ったまま呆然としていた。 ![]() 壮麗なその夜のオ ペラが終わると同時に隣席の老人たちは、私を待たず先にロビーへと出て行った。 私は、少し失望し て、多分老人たちにからかわれたのだろうと思いながら、誰もいないことを予期しながら、後からゆっくりホールの出口に出た。 驚いたことに、老 人と美女たちは出口で私を待っていた。出口の前には大型のベンツが停車して、運転手が待機している。 「さあ、キョウジさ ん。どうぞ」 運転手がドアを開 けると、老人が乗り込み、それからマリア、私、クリスティーナの順で後部座席に座った。老人も私も小柄だったので、大型のベンツの後部座席は4人で座って もゆったりとしている。 車に乗り込んで驚 いたことは、マリアとクリスティーナは、座席に座る時、スカートの裾を大きくま くりあげ直に車のシートの上に尻をつけて座ったのだ。しかも、サッとまくりあげた瞬間、真っ白いふたりの丸い裸のヒップがはっきりと見え、ふたりともドレ スやワンピースの下にはまったくパンティもガーターもつけていないのがわかった。私は遠慮も忘れてふたりの様子に見入った。 ふたりの美女は、 皮のシートに裸の尻を直につけて、その冷たさに思わず同時に「アッ」と小さく声 をあげた。ちらっと私を恥かしげに見た様子や、裸の尻を直にシートにつけた異様な感覚にもじもじと座り心地が悪そうにしている様子から、ふたりとも好きで そうしているのではなく、強制されているのだということがわかった。 シートにすわると ふたりは、ドレスとワンピースの裾をまくり、陶器のような美しい太ももを完全に 露わにして、脚を左右に大きく開いた。だらしない商売女のするような格好だが、マリアたちは上半身は背筋を伸ばし目を伏せてきちんと座っているので、露わ な下半身と何ともアンバランスでエロチックな感じだった。老人は隣に座ったマリアの膝に手を置きそのまま、そのすべらかなふとももを撫でさすり、次第にス カートの奥にまで手を入れていった。 「アッ・・ア ン・・」老人の手がスルリとマリアのスカートの奥に入り込むと、ビクッと隣に座った私の肩と触れ合っている彼女の露わな肩が震え、かわいい声が小さく上 がった。老人は猶もしつこくマリアのスカートの奥に手をいれ、いたぶりを続けていた。 「アッ・・お許し を・・アン・・ご主人様・・・」 私はそこで始めて マリアという娘の声を聞いた。澄んだ美しい恥じらいのこもった声だった。 「誰がしゃべってい いといった?マリア。後で罰を与えないとな」 老人はさらに手を 奥に入れ激しく動かしている。 「イイイッ」とマリ アは身を震わせ歯を食いしばって声を忍んでいた。 「どう です。キョウジさん。マリアでもクリスティーナでもお好きなほうをご自由に楽しんでください。ふたり同時に責めてもいいのですよ」 唖然として見つめ る私に老人は、まだ切なげに身悶え続けるマリア越しに笑いかけた。 (続 く) |
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